この図はいろいろなホルモンをハナアイゴに注射してその時の精子の運動の変化を調べた結果です。ホルモンの注射は精子形成時に行いました。精子形成時期にヒト絨毛性ゴナドトロピンや成熟誘起ホルモンを魚に注射することによって精子の成熟を誘導することができました。このことは性成熟とそれに関係するホルモンの役割は月齢同調性魚であっても、他の魚と変わりないことを示しています。すなわち、月齢同調性は脳下垂体よりも上位部位(脳や視床下部)で感受され、そこで作られる周期性が脳下垂体に伝わり、生殖腺刺激ホルモンの月齢に応じた分泌が起こると予想されます。
General and Comparative Endocrinology, 131, 302-309.